イケメン女子の学園生活1【完】
「滋、今かえったぞ」
滋(シゲル)と呼び部屋の中に入った翔の後を追う
布団にくるまった小さい子どもが赤い顔でコチラを見上げていた
小さいと言っても小学5年生くらいの子だ
「おかえり、兄ちゃん…そっちの人は誰?」
ダルそうに身体を起こしてジッとオレを見つめた
翔に何となく似ていて兄弟だなって分かる
……や、かなりの美形兄弟だな
『初めまして、朔月って言います。オレ、翔の友達なんだよろしく』
「…あ、うん」
オレが出した手をおずおずと力なく握る
よしっ
看病ーするか!
『ホラ、身体起こすの辛いだろ?寝て寝て』
滋君を寝かして翔をみた
『翔、何かご飯作りたいんだけど、台所借りてい?』
「………あぁ」
心配そうに翔を引っ張り聞けば頷いた
『側に居てやるのも大事だがな、それじゃ治らん。翔はタオルを濡らして持ってきて!出来れば氷水も用意して』
「お、おぅ」
バタバタとオレは動き始める
冷蔵庫を開けると全然入ってない…
あー、買いに行く暇ねーしな
コレとコレで…
よーし
あるもので作ってやろ
オレは限り無く少ない野菜を手に取り作り始める
米を炊き、鍋を出して野菜を切る