イケメン女子の学園生活1【完】
「悪かったな、手伝わせて」
『ハハ、遠慮すんなよ。大した事してねーし』
リビングへと通されオレと翔はテーブルを挟んで向かい合わせで座布団の上に座った
「……助かった」
『いーって。…んー、でも弟さん可愛いな!翔に面影似てるし』
「…そうか?似てる、なんて初めて言われた」
『へー。笑った感じとかソックリだぞ?二人ともかっこよくて』
「///………ありがと。俺よりもアイツは愛想が良いからな…」
『そうだねー。オレは翔のが良いけど』
「は?」
『だって、最初から愛想良いよりー何か仲良くなって親しくなってく方がオレだけ!って感じで嬉しくなんだもん』
「……」
愛想が良いのも良いことだけどねーと続けたら目を見開いている翔
な、何だ?
「……お前みたいな奴は初めてだ…」
『え?オレみたいに男装してる奴?』
「…いや、まぁ」
『?』
言葉を濁して視線を反らす
心なしか赤い頬
ん?
何か喜ぶ事言ったか?
かっこよくてー…のとこか?
『じゃ、オレそろそろ帰るな』
滋君のでこを触ったら大分熱が下がっていたのでオレは帰る事にする
「ありがと、な。また明日」
『おーう。また、明日』
辺りは薄暗くなってきていた
翔とのお喋りなんて前の性格からしたらあり得んかったな
と、苦笑する
オレだって話す方じゃなかったな…
つか、こんなに仲良くなるなんて、哲以外に考えられなかったし
すっごい楽しんでいる自分
人生捨てたもんじゃないな…
オレの今日1日はそんなんで終了した
帰ってからの仕事を考えると気が沈むが
“また明日”そんな言葉にオレの頬は緩むのだった