イケメン女子の学園生活1【完】
俺の家は親父と俺と弟の三人暮しだ
親父の仕事はトラックの運転手で家に居ることはほとんどない
よって
今までほぼ二人で生活していた
かと言って困った事はなかった
小学生だがしっかりしている弟は家事を完璧にこなしていた
……今回は困った…
自分の体調に気を使う弟は風邪なんてひいたことなかった
すべて家事は弟がやるぶん俺は目の前の滋の姿を見てどうすればいいのか分からずただ、顔をしかめた
そんな俺を見た滋は無理にヘニャリと笑った
「俺は大丈夫だよ、兄ちゃん。なんか、用事あるんでしょ…?行ってきていいよ」
「……」
俺の心配をしている滋に
俺の心配より自分の心配しろ、と
言えないが…
滋の言葉にどうせ俺が居てもしょうがないか、と俺は家を後にした
バイトの場所について着替えを渡された
俺はボーッっと無心で今の動作をしていたから着替えた自分の格好を見て驚いた
執事かよ……
似合わない、と思ったが正木に急かされ働かされた
渋々接客をするが
やはり俺は弟の事が気がかりで心ここに在らずの状態に、
情けねぇな…
何も出来ない自分が腹立たしい
外に立ちボンヤリとお決まりの台詞を吐きつつ客寄せをしている最中
ふと、視線を感じた
視線を辿るように見れば、最近よく一緒に居る女の姿が
俺の姿にでっかい目をさらにでかくまん丸にして見ていた