イケメン女子の学園生活1【完】

何度でも礼を言いたくなるが朔月に止められる

優しすぎんだろ…



そして、俺は朔月の一言に身体を固まらせた

“翔のが良い”

“オレだけだーって…”



………え

無愛想だ、と虐められた事しかない

月牙の奴等だって俺の無愛想を治せとばかり言う
…ま、冗談半分だろうが


そんな俺にそのままで良いとばかりに誉めた朔月に俺は耳まで赤面した

自分でも分かった


顔が熱い

母親にすら捨てられた自分を良いと
言ってくれた


それだけで、もう



無視がほとんどの俺に毎日のように話しかけてくる朔月の姿が浮かんだ

いつの日かそれに答えている自分がいた

もっと話したいと思った

俺だけに話しかけて欲しいと思った


……そう
俺はこの女、朔月に惚れたんだ


話さない俺をほおらず、俺の意見をキチンと聞こうとする行動が嬉しくて……


あぁ、好きだ



と、改めて思った




“また明日”

今までの俺なら絶対口にしなかった台詞

今なら…お前になら何回でも言おう

また、明日会おうな…と…


今はまだ男として意識されてない俺だけど
振り向かせてみせる


その前には朔月が自分は女だと、よく理解させねーとな



さぁ、そろそろ本気になる時期だ


今まで黙っていた分の“声”



お前のために


俺の“声”を全て捧げよう




お前にだけ囁こう








…――好きだ……








〜翔 side end〜


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