イケメン女子の学園生活1【完】
嬉しそうに笑う朔月に耳まで真っ赤な俺
ガラでもねぇ、俺が照れるなんて…
初めての気持ちに焦る事しかできねぇ
オリエンテーションの時もおかしかった……
奥手、なんて自分には一切関係ない話だと思っていたが朔月を前にすると動けなかった
嫌われたくない、そんな気持ちが俺を止めたのだ
あー、らしくねぇな
悪くはないがフワフワしたこの感じにそわそわする
笑顔でピースをする朔月が可愛くてしょうがない
俺は伸ばした手で押さえることを忘れ、朔月を抱き締めた
俺を選んでくれた、それだけで死んでもいいと思うくらい嬉しかった
『ちょっ、な、何!?』
ワタワタする朔月に笑みを溢すが自分の頬が熱いぶん、強気にもなれなかった
と、そこで
「あ、あのー、良いところ悪いんですが、借り物を教えてくれませんか?」
借り物競争のちゃんとしたゴールはまだしていない
借り物を確認したうえで決まる
だから、仕方がない事だとは分かってはいるが
離れたくない、っつー気持ちから舌打ちが漏れた