イケメン女子の学園生活1【完】
―……パンッ!
お馴染みなピストルのスタート合図に走り出した一同
誰を見るでもなくオレはボーッと眺めていた
だんだん近づいている人影にギリギリまで気づかなかったのはオレの失点だ
「―…おいっ!」
グイッと肩を掴まれハッと、我に返ると目の前には光樹の顔が
『わ〜…ビビった。何?終わったのか?』
呆れたようにオレを見た光樹は
ハァ、と溜め息一つ
幸せ逃げたな、なんつって
「終わってねぇよ。何ボケッっとしてんだ。テメェを借りに来たんだよ」
光樹の言葉に間抜けな顔をするオレ
え、何
借りに来たって…
「いーから、早くこいっ」
今度は腕を引かれバランスを崩しそうになりながら立ち上がる
借りに来たって、オレかよ……
しょうがないか、と光樹に続いて走ろうとしたら空いた方の腕がパシッと掴まれた
「……朔月、俺と来て」
「っ、テメェ…!」
翔もオレをっ??
グッと眉間に力を入れる
暫し困惑しているオレの横で小さな喧嘩が始まった