イケメン女子の学園生活1【完】

てか、小学生かよ


オレの冷めた視線を物ともせず神藤先輩は突っ込んできた


あ、この人は素人だな


大和先輩のキチンとした理由がある動きとは裏腹にただただ突っ込んでくるだけの神藤先輩



ヒラリヒラリと交わしながら思った
あ、これ闘牛じゃね?
って

オレ目掛けて突進してくる姿はまさに牛
鼻息荒いし、ドタドタ五月蝿い走りだし


無駄な動き多すぎ
いや寧ろ無駄な動きしかねーよ…



戦う気も失せた

折角、慎二に着せてもらったのに相手がこんなクズじゃあなぁ…

白衣を着ている神藤先輩、正直


カッコ悪いっすわ





『あーあ。つまんねぇな。こんなのオレの相手じゃない』


閉まった襟元を少し緩めながら腰に手をやる

オレの声をマイクが拾っているか確認しつつ、完勝するために演技を始めた



「なっ!?てめぇ、うぜぇにもほどがあんだろうよぉっ!」

『うざい?それはこっちの台詞だ。貴様、そんな荒い技でオレと戦えるとでも思ったか』


新撰組の方がどんなんか分からない凡人ですので、取り敢えずお侍さん風に


あれ、ちょっと大和先輩入っちゃったな

イケメン大和先輩の喋りを無意識に参考にしていた自分に苦笑い一つ


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