イケメン女子の学園生活1【完】
「にーんじゃさんっ、さっきは大変だったね〜?」
思って無いことを口にしてんじゃねーよ
流石に無言じゃ飽きてきたのでオレから行動することにする
タッと床を蹴り、静かに素早く相手に近づいた
「わっ、なになに〜!?」
『五月蝿い』
ブンっと足を蹴りあげれば、風太先輩の腰に当たった
バチンって音がしそうに両手を前にして顔から倒れこんだ
後ろから思いきり蹴飛ばしたからな
オレよりチビな風太先輩には結構な威力だったらしい
暫く無言だった風太先輩は唸り声を上げながら起き上がった
「いった〜い!!ひどいよ〜うわ〜〜ん!」
嘘泣きですか、今度は
『大した演技だな?つまんねぇからやめろよ』
「……演技じゃないも〜ん!ひどいよね〜皆ぁ〜〜」
観客の生徒に向かって両手を広げ同意を求めた
後ろの方の女子数名や少数男子は同意しつつも、なんせ真ん前は我等が月牙が貸し切っているため、いまいち盛り上がらない
それどころか尚輝や泪、哲の三人のブーイングらしき声が目立つ
そして、先輩の顔が次第に暗くなるのが目に見えて分かった
『何甘い事言ってんだよ。これは、勝負だろ?嫌ならステージ降りて好きに猫でも何にでもなれよ』