イケメン女子の学園生活1【完】
「………チッ」
………
ん?
舌打ち?
小さく小さくだけど放たれた舌打ちは確かに風太先輩からだ
ふっ
やはり腹黒か
『トドメ、な』
腕を振り上げ、風太先輩の顔に向かって勢いよく拳をおろした
――ガスッ
『!!』
「あっぶね。ありえな。まじ、ありえな。こんな可愛い俺に容赦なしとか。うざ。まじ、うざ」
頬をカスったが避けられたこと
と
いきなり性格が変わったようにブツブツ言う風太先輩に
驚きを隠せない
「あーあ。つまんな。ありえないし。やめたやめた。終わらせよ。そうしよ」
ブツブツとオレに目線を運ばせた
さっきとは違い冷たい目にドキンと心臓が跳ねた
タンッと床を蹴りオレの所へ走ってきた風太先輩に身構える
思った以上に素早い動き
繰り出される攻撃
一打一打に威力はないがスピードがとても早く受け止めるのに必死になる
……クソッ
攻撃のスキがねぇ…!
オレに攻撃をさせないように次々と手を出し足を出す
ガッ とか ゴッ
などの腕と腕、足と腕がぶつかり合う音が続く