イケメン女子の学園生活1【完】





『いっ、ちょ…痛い。いてててててて』

「我慢我慢〜♪」




只今治療中


『いったいし。おい、擦んなよ。あ、染みる。いたたたたたた』

「も〜五月蝿いなーさっくんは!我が儘ちゃんだなっ!」

『我が儘じゃない』



今オレは治療中


……て、さっき言ったか


何故か尚輝に治療されています


『何で尚輝なんだ…』

「ん〜?それは、俺が医者の子供だからじゃなーい?」




…マジか、知らなかった

今日なんか各自の家柄が少しずつ明らかになってんな



ん?待てよ?

尚輝って馬鹿だったよな
泪と共に追試受けてたよな


それで医者の子…?



「さっくん正直だねー。医者の子だからって、家を継ぐとは気まってないよん☆」

『あれ、バレた?』

「顔に出てた♪」

『ふーん。じゃ、尚輝が治療しなくて良いじゃん。いて、』

「だぁーって、皆さっくんに会いに行ってんのに俺行けなかったしさ!医者の子供の権限を有効活用させてもらいました!」

『…無駄な使い方デスネ』



はいよっ、と最後にペタッと絆創膏を顔に張られ治療終了


何気に上手かったな尚輝


案外、医者に興味あんのかもな


「…ふ、さっくんはあんまり突っ込んでこないから安心するー♪」

『?…ちょ、抱きつくな尚輝』



スリスリとオレの肩に頭を埋めた


あ、


『尚輝っ!ストラップ!!』

「!?は、はひっ!?」

『っ―――!!』




うずくまるオレにアワアワと尚輝は離れた


いてーし!いってー!


尚輝に鎖骨触られてピリリと骨に痛みが走った
折れてはないみたいなんだけどな


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