イケメン女子の学園生活1【完】
「俺の口パク分かった?」
『え?まあ、なんとなく。あ、最後の分かりませんでした』
「そっかー。最後は、黒崎君って女の子みたいな身体だね、って言ったんだよ」
『……!!』
スッとオレに近づき耳元で呟かれたそれに驚きが隠せない
「ふっ、冗談だよ、冗談。ささ、始めますか」
『…はい』
明らかに冗談じゃなかっただろ、と言いたいが墓穴を掘ることになりそうなので控える
舌打ちが漏れたのは言うまでもない
「…つっても、俺あんまり喧嘩好きじゃないんだよね?」
『……決勝戦ですよ?今更…』
「いや、ホラ。雑魚ばっかりだったからさ」
ヘラヘラ笑いながらも人を見下したような目をしていた
憎悪…いや、悪寒?
それらしきものがゾワリと身体を巡る
「雑魚の相手は簡単だったけどー、黒崎君、面倒そうだからな」
鳥肌になっているのに気づき、腕を擦る
なんかあんま関わりたくないな、なんて
『じゃ、早く終わらせましょう。勿論、オレが勝って』
「―…、俺が勝つよ?ま、早く終わらせるってのは賛成。よし、やるか」
新垣先輩が身を低くし、体制を整えたのでオレも身構えた