イケメン女子の学園生活1【完】
「…おらっ!!」
『!?』
……ガツンッ!!!
鈍い音がオレの耳に届いた。それと同時に頬がズキリと響く
口の中が血の味で染まる
ステージの後ろの壁にガツンと背中をぶつけ崩れ落ちた
脳まで響いた拳は重かったということだ
頬がガンガンし、目がクラリと歪む
「…あー、いって。黒崎君強すぎ。あ、気、失いそ?」
『……は、』
揺れる身体を起こそうと身体に力を入れるが、動かない
動かないどころか、どこもかしこも痛い
ズキンズキンどころじゃない
ちぎれそうだ
興奮から醒め、気が付くと身体中にはアザだらけ
新垣先輩の攻撃を受け止めて無傷の筈が無かったのだ
興奮がゆえ、気づかなかったか
フッ、小さな吐息を出し頬を緩め静かに笑った
「…俺もアザだらけだし。こーんな怪我したの初めて」
サスサスと腕を擦る新垣先輩をジッと見つめた
「はは、何見てんの?あ、降参させるか、トドメささないと」
ゆっくり近寄る新垣先輩に俺は目しか動かせない
「―……さ、選ぼうか。降参?か、鳩尾に一発」