イケメン女子の学園生活1【完】
悔しさで噛み締めた歯からギリギリと音を立てた
負ける…、
初めての負けと言う文字が頭を霞めた
弱々しく握られた拳が憎たらしく思える
力がない自分に腹が立つ
「悔しがることないよ。俺の技まともに喰らって意識ある方に驚きだよ」
もう俺の目の前にいる新垣先輩は先程、雑魚と言った者達に向けていた
あの見下した目でオレを見ていた
恐怖、より悔しさが勝ち
オレは鳩尾に一発、そう言おうとした時だった、
「何寝てんだ!テメェ、この俺に勝っといてソイツに負けるなんて許さねぇーぞ!!」
……。
オレ達の戦いを静かに見守る生徒達の中、
光樹の大きな声がステージ一杯に響いた
『……は、はは。五月蝿いな、アイツは』
震える拳を止める
軋む足を無理やり動かす
揺れる視線を落ち着かせる
「!!、立つ、…んだ。立てるんだ……」
目を見開いて驚いている新垣先輩を見据える
しかし、今のオレに残された力など
ほぼないに等しい
「生まれたての小鹿状態の君が、果たしてどこまでやれるのかな?」