イケメン女子の学園生活1【完】
他の扉よりゴツい、濃茶色の扉をノックする
『朔月です。今帰りました』
「入れ」
相変わらずの態度を確認後、中に入る
『用があるんですか?』
「用はない。明後日葉月が帰ってくる。心得ておけ。それだけだ、下がれ」
驚く暇さえ与えない淡々とした口調
オレは最後の言葉だけに直ぐ反応し、一礼して部屋を出た
「どうした?朔月」
『……いや、なんだかな』
「話、何だって?」
『葉月が帰ってくるんだと』
「え……」
部屋に戻り、
何故かオレの部屋に居ると口調が変わる執事を横目に眉をよせた
葉月、と言うのはオレの兄だ
血は繋がっていない。父の実の子だ。
……
実の子、だと言ってもわかりにくいか
―――…そうだな
そろそろ、オレの成り立ちを教えてあげようかな
夏休みも始まったばっかりだし、オレの話しにゆっくり付き合ってもらおうか
と、言ってもできるだけ簡単に言おう