イケメン女子の学園生活1【完】
「お疲れー、朔月」
『…はい』
「アハハ。ねぇ、今日も俺の相手してくれるよね?暇なんだー俺」
大きく広い病室
細く白い腕でオレを引き寄せ、首に甘噛みする
身体を後ろに少し引くと葉月は力を更に強くした
「避けないでよ。逃げられないんだからさ、俺から。だって、運命だから。俺と朔月が会うのは運命だったんだ」
『……っ、…』
グイッとベッドに押し倒され、服を剥ぎ取られた
「俺からは離れられないよ?…一生ね」
そして懐から出したナイフをオレに向けた
いつ来ても可笑しくない“死”という存在に葉月は壊れていた
オレは“運命”と何百回、何千回と言われ、次第にソレはオレを縛り付けていた
身体についていく傷は日に日に増えた
肌が切り裂かれ、熱くなる感覚は身体から離れない
――…そんな、兄が治療法が見つかったと、海外に行ったのは一昨年のこと
それが、父の話では帰ってくるという
治ったのかさえサッパリ分からない
会いたくない、と言ったら会いたくないが
「会わないといけない?」
『……あぁ』
そう、だってオレは………
彼の身代り人形にしか過ぎないのだから――