イケメン女子の学園生活1【完】



…ツーツー……

という電波音にやけに虚しくなった


携帯をポケットに仕舞いながら
少し寂しく思った自分に驚く



……オレ、哲依存症か?




冗談はさておき、哲の悩んでいることは謎だ

今すぐ会って話をききたくなる



……女々しくなったなオレも

哲のため、とか言いつつ、オレが会いたいんだ哲に


まだ1週間と離れてないのにこのざまだ








………、今なら抵抗できるだろうから葉月に会っても大丈夫
それなりの地位をオレは手に入れたから


かなり細い柱でギリギリに立っているような立場、だがな



だけど―…オレが女の姿になるって事は葉月は葉月になれる状況なのか?



哲に軽く答えたがまー、サッパリ自信がない



オレはオレで努力してきたんだからそれで駄目ならそこまで


それで、良いんだけどな………





気持ちを落ち着かせるためにバルコニーに出た


暗い気持ちには負けない、

だけど………



チッ、奴等、月牙のあいつらに会ってからオレは弱くなった気がする


こんなグダグダ考えてもしかたねーのに



…甘え、てんのかな



フンッ、でも考えるのが人間だろ?
それに抗う方がおかしいのか






夏はやっぱりムシムシしていてそれは夜も変わりない

しかし

代わりに夜空が綺麗で…



考えるのも悪くない
考えて頭痛くすんのだって青春じゃん?

葉月だって変わったかもしれない
このオレが変わったんだから


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