イケメン女子の学園生活1【完】
執事の心得
ふぅ、
一息ついて部屋に戻る
哲から電話があってから2時間もボンヤリと空を眺めていたようだ
そして、いやに視線を感じるのでそちらを見ると…
オレを見ていただろう執事と目が合い、眉間に皺をよせた
何みてんだよ?
ってチンピラ的な意味を込めて
「…睨むなよ」
『はいはい。明日の予定は?そのノート分かりにくいぞ』
黒いノートをチラリと見た
あれには今日は〇〇不動産とお茶、とか〇〇〇会社の資料まとめとかー
みたいな曖昧なことしかなく詳しい時間も書いてない
「俺が分かってれば良いんだよ。明日は午後16時に帰宅……だから、出迎えすんなら15時半には空けとけ。あと、19時からパーティー。ドレスを着て出席。終了時間は23時予定」
『……じゃあ、午後は暇なしだな?着替えどんくらいかかると思う?』
「そうだな…念のため1時30分くらいは欲しい」
『了解』
「………それだけ?」
『何が?』
パーティーが長いのも毎度のことだし、ドレスも葉月がいたら男装できないから予想できた
他に突っ込むところでも…?
「ま、良いや。あ、俺がドレス選んどいたからな?いいだろ?」
『駄目って言えんの?』
「言えないなっ!」
『じゃあ…』
聞くな
アハハ、と笑いながら言う執事を軽く小突いてパソコンの電源をおとした
オールしようかな、と思ったけど明日寝れる保証がないのでやっぱり寝ることにする
シャワーを浴びるだけで風呂を済ませた
ベッドに腰かけると“おやすみ”と書かれた紙と共に執事が居なくなっている事に気づく