イケメン女子の学園生活1【完】

狂ったように黒目を動かしながらババァが手に取ったのは、背の高い丸いテーブルに置かれた花瓶だった


ガッ、と掴み上げるババァを見て嫌な予感がズワリと溢れた


背中に冷たい汗がつ、と伝う



驚きで開いた目で見つめる




……今、今なら止められる!?


そう思って足に力を入れる


『…――っ!!』

しかしズキリと痛むのはさっき踏まれた所

フラリとバランスを崩し、四つん這いに……



ヤバいヤバいぞ、これは

花瓶は洒落にならない…!


微かに首を上げて見えたのはもう振り上げている花瓶

あぁ…、当たる


そう、覚悟し首が項垂れ目を強く瞑った









――……バリンッ!!ガシャッ!

ポタッ…ポタ……





……っ!

激しい音に目を開けると手の横に割れた花瓶


オレに当たらなかった花瓶は無惨に砕け散っていた



上から舞った花がポタポタと落ちてくる中、影をみつけ見上げてみた






「なに、…やってるんですか?」



そこにはババァの手を掴んでいる我が執事の姿が……



オレは不覚ながらも執事の姿を見てゾクッとした


静かにババァを睨むやつからは光樹のをゆうに越える殺気が放たれていた




殺気出して睨んでいても執事はいつもの営業スマイルを止めないのは、やっぱり流石だと思う


頭の上に乗った薔薇を取り、オレは冷静になって執事を見ていた……





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