イケメン女子の学園生活1【完】


「溜め息つくな。……あ!ホラずれただろ!?」

『やり直せ』





…何だこの嫌味なくらい綺麗な顔は


ババァを頭からポイして現実…前を見るとドアップな執事の顔

今は目の上らへんをいじってる



「うわ、睨むな。可愛く可愛ーく」

『うるさい』




目が合うとニコリと笑う顔を睨み付ける

イケメンは許すが何、この顔

イケメン以上にイケメン…て、言ってる意味わかんねーか



翔もイケメンだけど〜…まだあどけなさが残ってて可愛いんだけど

コイツはまるっきり大人だし可愛くない



……どっかで、敵わない、とか思ってっからムカつくのかな




「よし、メイクはこんなもんか。パーティーん時にまたするし。髪はつけ毛にするな?」

『うむ』

「うむって(笑)あ、でもウィッグじゃねえと朔月の頭段ついてるからウルフカットみたいになるぞ」

『カツラは暑いから嫌だ。狼切りで良いから』

「…何故変換した……」




ヘラヘラ笑いながらオレの後ろに回り、髪をセットしていく


つーか、唇テカテカするし顔パサパサするし視界はなんか狭いし

で、

メイクって気持ち悪いんだけど!!



里江先輩にやってもらった時はこんなんじゃなかっ……あぁ、あれは男メイクか


もーやだ

女の子の皆さんは大変ですね
クラスの女の子もっと大切にしなきゃかなー…




「……ヤバい。ムラッときた…………」

『はぁ?』



顔を真っ赤にした執事がオレに手鏡を渡した

どうやらメイクやらなんやら終了したらしい


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