イケメン女子の学園生活1【完】
「俺は…10歳までは健康体だった。何の異常もなくて…」
だから毎日毎日、外で遊び回っていた
「普通にヤンチャボーズでね。走るのが大好きだった。けど…」
けど、父さんは厳しく、俺に遊ぶことを禁止した
勉強だけしていればいい、余計な事に体力を使うなって
「俺は、父さんと、この家が嫌いになった」
少し驚いたような顔の朔月にフッと笑う
「嫌いで嫌いで、何で皆と同じように遊んだら駄目なんだって、思ってた」
そしたら、父さんの厳しい一言が降ってきた
「当たり前だろう。って……お前は皆と違うんだ。お前はこの家に産まれて本当に嫌なのか?ってね」
嫌いになった、けど
俺は一度もこの家に産まれてこなければ良かったなんて思わなかった。
「誇りを持て。お前は私の子だ。そう言われた時から、俺は、嫌いなんかじゃなくなった」
少し朔月の顔が歪む
本当の子……か
「遊びたいけど、俺は頑張ったんだ。誇りを持って…。家を助けるんだって……」
しかし、そんな俺に大きな障害…いや、絶望?が襲ってきた
「……ある日、倒れたんだ。学校帰りに」
病院に運ばれて、意識を取り戻した時には色んな管に身体中が繋がれていた
そして、聞いてしまった
「心臓……ですね。……が……です。はい、…残念ですが、治療法は…………もって15歳いけるかどうか……。と、」
『……』
途切れ途切れに聞こえた医師の声
しかし、重用な所はしっかり聞こえた
“俺は15までに死ぬ。治療法はない”
ということ