イケメン女子の学園生活1【完】
「俺は絶望したね。人生の終わりを聞いたんだ」
そして、絶望の次に押し寄せた感情……
「そんな時に、朔月が来た。俺が倒れてすぐの事だったから、本当、驚いた」
また顔を歪める朔月
しかし、俺から目を離さずしっかり聞いてくれている
…そんな朔月が眩しくてしかたない
「朔月は…完璧だったね。俺より優秀で……………だから、嫉妬したんだ」
絶望の次に、敗北
……嫉妬の感情が俺を支配した
「朔月は俺の身代わりなんかじゃなく、“俺”になるんだな、って思った。…俺より勝っていたから」
許せなかった
俺が頑張って頑張って努力して、走ったり、ゲームしたいのを我慢した俺を簡単に越した朔月を
俺の立場を奪った朔月を……
『………オ…私は、簡単に越せませんでしたよ、貴方を』
今まで黙っていた朔月がふと口を開いた
『今でも越せれていません。…し、これからも越せません。…ただ、必死に追い掛けただけです』
苦痛に歪んだ朔月の顔を見てられなくなって目を剃らした
朔月の瞳は俺の幼稚さを目立たせる
「朔月が俺より優秀だったのは、事実。……おかしくなったのは、父さんの言葉からだ」
「お前はこれから病院では朔月と名乗れ。見舞いにくる奴等にだ……これからだね。俺は自分が見えなくなった」