イケメン女子の学園生活1【完】



…………して、パーティーは始まった訳だが…


パーティーっつっても、葉月おかえりパーティーなどと、本当の事が言える訳もなく

ただの、社交パーティー化



そしてオレはいつもならやる接待を休業中

兄さんは忙しそうに挨拶しまわってるけど



『はぁ』


接待があるとジジィのご機嫌とりや会社の内部探りで骨が折れる

けど
接待がないならないで、オレはどうしようもなく暇


オレ、帰っていい?

…とは言えずニッコリ笑うお人形に取り合えず変化



『……はぁ』


慣れてるけと、やっぱ頬の筋肉疲れるわ…

一瞬のため息くらい許してくれよ





「ご一緒しても?」

『はい?………………』




…マジで?




キラキラ光る金色のサラサラな髪

透きとった綺麗な碧の瞳

日本人離れな美し過ぎる顔立ち





…………そう

優雅にワインを両手に笑うその人は……

我が東高、生徒会長の




『……相模先輩…』


でした


いや!

でしたじゃねーよ!


小さく小さーく呟いたオレの声はどうやら聞こえてなかったらしく、笑ったまま動かない相模先輩

いや、オレも同じだけど

一瞬驚き目を開いたが、すぐ社交スマイルを張り付けた



我ながら、凄い



「…聞こえなかったのかな?どうですか?飲み物でも」

『あ、失礼しました。ありがとうございます』



差し出されたワインを受けとる

ノンアルコール?なわけねぇじゃん

金持ち相手にアルコール抜けませんよ



「急に話しかけて不躾でしたね。私は、相模財閥の次期会長、相模です。以後、お見知りおきを」

『…はい。黒崎朔月です。』


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