イケメン女子の学園生活1【完】
睨んでどうすんだ睨んで
「相模君、ちょっと良いかい?」
「はい。…じゃあ失礼しますね」
どっかのおっさんに呼ばれ去っていく相模先輩
それに替わるように来た兄さん
「………ね、ね、誰?あれ。馴れ馴れしくなかった?」
『学校の先輩です。生徒会長』
「へー。仲良いの?」
『良くないです。出来れば関わりたくない…です』
「……そっか。了解。なら、俺が話しかけられても素っ気ない態度で良いんだよね?」
『あー、はい』
「ま、素っ気ない態度は自然と取っちゃうかもだけど」
は?
何となく拗ねていた…てより、落ち着かないような兄さんだったが、
今度は安心したって感じだ
…ちょっと過保護じゃねーか?
いや、嬉しいっちゃあ嬉しいけど…話しただけで一々心配されてもねぇ?
『…ホラ、兄さん呼ばれてますよ』
「あ、うん。行くね?男の誘いは断って良いからね?困ったら俺を呼んで良いからね?疲れたら……『はいはい、早く行ってください!』
この、“〜良いからね?”はパーティーが始まる前にも聞いたっつの!
マジで過保護だ
はぁぁぁ…何か疲れた
兄さんの背中を押し、無理矢理おっさん達の方へ追いやると疲れがどっと出た
……そーいや、今日色々ありすぎたからなー
ババァの暴力に女の格好、して、葉月兄さんのおかえりに、パーティーだろ?
はあ、疲れた疲れた
何より心が疲れた気がする
オレは無駄に考えすぎていた気もする