イケメン女子の学園生活1【完】
『行くってよ、じゃねーよ!人の話聞け!』
「はいはーい。お前頑固なとこあっからさー」
『はぁ?テメー誰に向かって言ってん…………』
執事に向かって怒鳴っていたら、なんか目を輝かせた葉月兄さんがヒョコッと顔を出した
「わーー…素の朔月初めて見た〜…」
み ら れ た…!
いや、隠していた訳じゃない
い、いい良い子ぶってた訳でもない!
ただ、なーんかかしこまっちゃうだけで…
「ブッ!バーレーた!」
『…執事、お前の口調の事を上に報告させてもらい「すいませんでした」
ガツン、と床に頭をぶつけて土下座の謝りを見せる執事
チッ……
クスクス笑いながら兄さんは近づいてきた
「…アハハ、朔月って……あー、もぅ面白い!ねー、俺にも敬語じゃなくて良いからね?」
『…や、は、うん。分かった…』
馴れねー!
『…じゃなくて、一緒に買い物いくの?』
「行く。俺、丁度開いてたし」
ふーん…
『兄さん、ファッションセンスあるんで、…あるの?』
「…フフ、大丈夫、あると思う。行こう!車用意しといたから!」
「正確には俺が用意したんだけど」
「ん?遠野はしっかりお留守番ヨロシク。さ、二人っきりで行こ!」
「二人っきりを強調してんじゃねえよ!!!チクショウ!」
本当、仲良いのな
行こう行こう、とオレの腕を引きながらの兄さんに苦笑い
ま、浴衣くらい良いか
コスプレなら慣れたからなー、No.1グランプリのせいで(笑)
…や、浴衣はコスプレじゃない、か……?