イケメン女子の学園生活1【完】
「ねぇねぇ!コレはぁ?」
言い争うオレと光樹の間に入った泪
泪の手には黒地に臼ピンクやレモン色の花が描かれた綺麗な浴衣だった
『おっ、まとも。良いね』
「でしょ〜?」
嬉しそうに浴衣を抱える泪の頭を撫でる
ま…これで良いかな…………
「あれ?朔月君?」
『慎二!』
奥から出てきた慎二は浴衣姿
店員ならでわのアレだな
「はじめましてー」
そしてまた間に入る兄さん
ジロジロと足から頭まで観察している
「は、はじめまして…」
「た だ の、店員さんですよね?」
『兄さん、クラスメイトの慎二ね。観察やめて』
「ふーん。じゃあ、た だ の、クラスメイトか」
まじ、なんなんだ
ただのをさっきから強調しすぎ!
「えっと……お兄さん?」
ほら慎二が困っちゃってんじゃん
『そう、葉月兄さん。あ、慎二、浴衣選びに来たから!』
「ヨロシクネ、シンジクン」
『浴衣、選びに来たから!慎二!』
「朔月……兄を押さないで…」
態度が悪い兄さんを隅においやり、慎二を浴衣のとこに引っ張る
『慎二の所に皆来てんの?』
「ううん。光樹と泪だけ。浴衣を選んだんだ。他の二人は昨日選んだから」
『皆浴衣着るのかー』
「うん、そう。…それより、今日の朔月君とても綺麗だね」
ほんのり頬を染めた慎二がオレの顔を見てそんな事を言う