イケメン女子の学園生活1【完】
いやいやいやいや…照れるのオレだから…
慎二が照れたお陰でまあ、オレは照れずにすんだんだけど
そうして、
泪が選んだ浴衣の似た雰囲気のを慎二が持ってきて、形や色がこの方が良いから、と
それに決定した訳だけど……
「俺が朔月の選びたかったのに………」
と、兄さんは凄く落ち込んでいた
浴衣を包装してもらい、また後で、と慎二達の店を後にした
家に帰ると待ってましたと言わんばかりに執事が飛び出してきた
「おかえりなさいませ!」
『あー、うん』
「ただいま」
浴衣を奪われ、足早にオレへの部屋に向かう執事の後を追う
「あ、ごめんね、朔月。俺、これから集まりがあるから行くね」
と、自分の部屋に入って行った
…やっぱり兄さん忙しかったんじゃねーか
あんの、馬鹿執事…!
部屋に入れば既に浴衣を広げて見ている執事の姿が
『もう見てんの?』
「おー綺麗なの買ったな!葉月様、やっぱセンスあんなぁ…」
『や、それ慎二が選んでくれたから』
「……は?」
『え?』
ギュッと眉間に皺を寄せ、浴衣を置いたと思ったらツカツカとオレに詰め寄った
『な、何だよ』
「慎二?誰、それ」
『クラスメイトの友達』
「男友達?」
『ん?まあ…みたいな?』
「あ?みたい?」
『慎二とか、月牙っつーメンバーの相手にはオレが女ってバラし……て、おわっ!』