イケメン女子の学園生活1【完】
グイッと執事に両肩を掴まれた
グッと寄せられた顔にイラッとして睨み付ける
「何で教えたんだよ!!?」
『…いや……隠すの面倒じゃん?』
そう告げたオレに盛大な溜め息をついた執事
うざったい手をのけ、そういえば、なんで言ったんだろう
と、考えてみる
『…隠さなくても良いや、なんて甘い考えだけじゃない。……そりゃあ、あのババァの小せー反抗も兼ねてたけど、さ』
「…ん。知ってるさ。お前がそういう判断を適当にする奴じゃ無いことくらい」
『まあ…あれだ。隠し事は良くないから、だな』
フイッと顔を反らし頭をかいた
何だ、この言いにくい感じは
「言いたかねーけど…」
『じゃあ言うな』
「言うよ。つまり、お前は出来るだけお前自身を知ってもらって、仲良くなりたかったんだろ?」
『……』
そう、かもな
あんな面白い奴等初めてだし
仲良くなりたい、ってのはあったかも…
『…それと、哲一人に負担をかけるのが嫌だったんだ』
一人で秘密を抱えるのは、辛いだろ
オレが一番良く分かってんだ
…仲の良い奴ができたら尚更辛いし
「…辛い、ってより、俺なら嬉しいけどな」
『なに言ってんだ、馬鹿』
「ば!?だ、だってなぁ、大切な人の秘密を守る、こんな嬉しい事ないぜ?」