イケメン女子の学園生活1【完】


『…それはあくまでお前個人の意見な。普通はそんなに強くない』

「………朔月ってさ…悔しいくらい、哲の事好きだよな」

『……』



何で

何でんな悲しい、みたいな顔してんだよ?


『…大切な友達だからな』

「……あー!俺、もう少し遅く産まれたかった!」



そう叫んだ執事はオレのベッドにゴロリと寝転んだ

…駄目だろ

執事が遣える人のベッドに寝るって…




「俺が朔月と同じ年なら迷わず声かけてんだけどなぁ……」

『そりゃどーも。でも、オレは執事無視したかも』

「ひでぇな」



五月蝿いな、ったく



哲…で思い出したけど、ちゃんと電話してある

大事な話を忘れた訳ではない


今日の祭りが終わったら、話すつもりだ




葉月兄さんの事やババァの事などを報告したらオレ以上に喜んでくれた


そんな、親友の…哲の力になれれば、良いのにな






オレは浴衣を手に取りフッと笑う

女の姿でいることに違和感が薄くなっていた



…ま、慎二に誉められるのは苦手だけど





早く見たいのは花火と、哲の顔

ついでにいる愉快な動物達も楽しみだ




「なに笑ってんの?かーわいっ」

『うるせぇ』

「うわ!可愛くない!言葉使い直せよ!」

『うるせぇ』



………帰ったら、執事替えてもらえるよう頼むかな?



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