イケメン女子の学園生活1【完】

『……どうした?』



暫くオレをジッと見たと思ったらおもいきり逸らされた

なんなんだったく



「…朔月君、似合ってる…ね、本当」

『ん?ありがと…皆も似合ってるよ』




ついに喋り出した慎二に笑顔で応える

皆の浴衣姿もなかなか様になっている




「フフ、ありがとね」

「さっくん超可愛いー!」

『…お、ありがと。……でも、尚輝は浴衣はだけすぎじゃないか?』


胸がバーンッと開いている尚輝

ジャラジャラするシルバーアクセサリーが目立つ



「うん!暑くて!」

「…はぁ。なんかい直してもこうするんだ…無視して良いよ朔月君」

『了解』






……尚輝と哲と泪が騒ぐのを眺めていたら、神社に到着

賑やかな音と灯りで溢れかえっていた



「降りろ」


光樹の偉そうな声に皆従い、車から降りた


……ん?
もしかして……


『この車って光樹ん家のか?』

「…あ?あぁ」



ふーん、なるほど


「なんか偉そうだねぇ?さっくんが可愛いすぎて目も合わせられないくせにねぇ?」

「…バッ、かやろ!んな訳ねえだろ!!」

『そうだぞ、泪。可愛いすぎて、はないだろ』

「ふぅん?んじゃあ、光樹はさっくん可愛いと思ってないんだねぇ?」

「はぁ!?」

「思ってないんだねぇ?」

「……い、行くぞ!おらっ」



グイッと泪の襟をつかみズカズカ歩いていく光樹

そして、泪が小さく舌打ちしたのをオレは見逃さなかった



軽く運転手さんに会釈をして、光樹の後を追う


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