イケメン女子の学園生活1【完】


〜哲 side〜


何故か慌てながら風呂に向かった朔月に首を傾げた


そして、そんな愛しい親友の姿が俺には堪らない





「……っ」


泣かないって決めたのにな

朔月の笑顔を見ると悲しくなる


けど、見たい

なんて。矛盾してるんだ



溢れそうになる涙を止め、枕に顔を埋めた




今日、朔月に話すんだ





話す事で、現実になる

だから怖いんだ



俺は決して強くはないから


…けど、俺を頼りにしてくれた親友に隠し事なんて、野望だろ?



強くはない、けど

強くなると俺は君と誓ったからな



ギュッと唇を結んで顔をあげた



覚悟は決めただろ、哲!




濡れている髪のせいでしっとりした枕が俺を励ます












『…どうした?』

「!?」



枕を見つめていると、後ろから声がかかった

急いで振り替えるとタオルでガシガシ頭を拭く朔月が不思議そうにオレを見ていた



うお!
色気ムンムンだなっ!



つい笑うと朔月も不思議そうに笑った


あー、眩しいな、朔月の笑顔は





『髪乾かしてないじゃん。来て』

「え?」

『乾かしてあげるから』



素直に朔月の所に行けば、ソファに座らされた

そしてドライヤーを持ってきた朔月は俺に向け、スイッチを入れる


ブオー、と暖かい風と柔らかい朔月の手がとても気持ち良い


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