イケメン女子の学園生活1【完】
『あれ、委員長は?』
パンフレットと同じく渡されたオリエンテーションしおりに、部屋の鍵は学級委員長に貰うこと
と、記されていた
委員長いねーんだけど、
つか
話しかけたのに無視ってどうゆーわけだよ
独り言ではなく、ちゃんと話しかけましたよ
同じクラスの女達に
『…ねぇ、委員長は?』
もう一度話しかけたら女がビクッと反応した
「わ、私!?」
『…他に誰がいるわけ?で、委員長は?』
どいつもこいつもそう
媚びるか異様に挙動不審になるか
…または相模先輩みたいにオレを利用しようと近づく輩
そんなんばっかりだ
イライラするなぁー
さっきのワクワク返せチクショウ
…八つ当たりはこれくらいにして、と
「……い、委員長、さっきトイレに行って、あの…」
『何?トイレ?ここで待ってれば良いわけ?』
「あ、え、っと、あの…はい。多分…」
『……そ。ありがと』
「い、いえ…」
オレは女が言葉を言い終える前に踵を返して真ん中のソファーに座る
座った瞬間瞬間視線が集まるのを感じた
何だよ見んなっ
クソ……
委員長が来るまでオレは動物園のパンダ状態か?と小さく溜め息を溢す
何でんな見てくるんだろうな?
そんなもんなのか?
[朔月の洋館の中白く美しいソファーにその長い足を組んで座るその姿に皆見ずにはいられなく見とれているということを彼女が知ることは無かった]