StratumRoman~積み重なる物語~
しばらく走らされて着いたのは


「でっか」


大きい携帯ショップだった


「よし! 新しいの買うぞ!」


そう言ってズカズカ入っていく


仕方なく俺はそのあとを着いていく


置いてある携帯のサンプルをパコパコさせながら


楽しそうに携帯を選んでる苑が目に入る


「そういえばさ~、友この前携帯変えたばっかしだったよね」


こいつが言う通り


俺は一週間前に携帯を変えたばかり


「そうだけど、それがどうした」


「それってどれ!?」


無駄に大きいジェスチャーでサンプルの棚を指してくる


周りに居る人達がクスクス笑っている


こいつと居るとある意味恥かしい


ちょっと呆れながらも


俺は棚から一つの携帯を取って


苑の手のひらに乗せた


「これ……これのダークブルー」


「じゃあ俺もこれにしよう!」


は!?


イヤイヤ、男同士でお揃いとか気持ち悪いだろ


止めさせようと隣を見ると


「あれ?」


居なかった


「これの、ポップオレンジくださーい!」


あいつはすでにカウンターに行って


契約の書類を書いていた

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