StratumRoman~積み重なる物語~
RomanⅣ◆Sad&Warm
上杉 春
お母さんが死んだ
私にとってたった1人のお母さんが
いつも笑っていて
怒ると怖くて
隣にいるのが当たり前だったお母さんが
今は目の前の棺桶の中で眠っている
私はお母さんと兄が1人の3人家族
お父さんは私が小さな頃
病気で死んだ
その時の事はちゃんと覚えている
お父さんが最後に言った言葉
『お母さんを頼んだぞ』
それが私とお兄ちゃんへの遺言だった
その日から、私とお兄ちゃんは
お母さんのお手伝いをいっぱいした
3人暮らしでも
どこの家にも負けないくらい明るい家族だった
ちゃんとお母さんを助けているつもりだったのに
お母さんの死因は
『過労』
それを思い出した私は
また
泣き崩れてしまった