StratumRoman~積み重なる物語~
「な……つめ………どうして?」


私、棗にあんなに酷い事言ったのに


なんで今ここに居るの?


なんでそんなに息切れしているの?


棗はズカズカとこっちに来て


私の隣にドカッと座った


「どうしてじゃねぇよ…」


静かに呟く棗


「今から言う事…独り言だから、 聞くか聞かないかはお前次第な」


いきなり何を言い出すかと思えば


独り言??


「ぅん…」


不満ながらも返事をする


「確かに、俺はどっかの誰かさんの考えてる事なんかわかんねぇよ……でも、そいつが落ちこんでると…ほっとけねぇんだよ……悲しいならいつでも胸かしてやるから……一人で抱え込むなよ…」


その言葉を聞いて


私の涙腺は一気に緩んだ


気がつけば


私は棗の体に抱き着いて


恥かしいくらい大声をあげて泣いていた


そんな私を


棗は黙って抱きしめてくれた









「ねぇ、相談があるんだけど」


「ん? 何?」


「例えば、わたしの目の前に大好きな人が居ます…その場合、どうすれば良いんでしょうか?」


そう言って、私はニッと笑って棗を見上げた


すると、棗は恥かしそうに


「それは……こうすれば良いと思う」


そして、私達は星が綺麗に輝く丘で


小さくキスをした



上杉春のSad&Warmroman

     -END-
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