StratumRoman~積み重なる物語~
”ハニーさ、何か俺に隠してるよね”


その言葉が否定できない


だって、ホントの事だから


でも、こいつに喋って良いかな?


私の話を聞いて…私から離れていかないかな?


うまく言葉が出なくて


私は俯いてしまった


するとアイツは、いきなり私の頭に手を置いて撫でてきた


「大丈夫、どんな事でも、何があっても俺はハニーから離れないよ」


ふっと顔を上げると


アイツの顔は、柔らかい笑顔だった


「………あ…あのね――-‐


私は途切れ途切れにゆっくり


少々震えた声で、今まで虐待を受けていた事から色々アイツに打ち明けた


なのに、アイツは嫌な顔一つしないで


ただ…ただ…、静かにうなずいて聞いてくれた


話してる間、なんどか泣きそうになった




……えっと…終りです…」


全てを話し終え、アイツの顔を見ると


悔しそうな目で、歯がゆそうな顔で泣いていた


「…なんで…アンタが泣いてんの?」


そう聞いた時にはもう


私はアイツの腕の中だった

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