StratumRoman~積み重なる物語~
キーンコーンカーンコーン
「さようならー!」
HR終了のチャイムと共に教室を飛び出し
図書館へ向かった
全速力で走り
バタバタしながら図書館へ飛びこんだ
「こんにちはー!…あれ?」
中に入ると
昨日まであった本達が無くて、ダンボールがそこら中につんであった
しばらくすると、奥から館長サンが出てきた
「やぁ、お嬢ちゃん」
「館長サン!この荷物なんですか?」
そう聞くと、館長サンは悲しそうに笑いながら
「私は、今日でこの街を去る事になったんだ」
「………え??」
頭が真っ白になった
何を言っているのだろう?
去る?館長サンが?
「な…んで?」
「……色々あってね、もっと大きな図書館に移動する事になったんだ」
そんな…
じゃあもう会えないの?
私……わたし…
「私、館長サンが大好きです、そして…この図書館も大好きです……だから」
”行かないで”と言おうとしたら
手で口を塞がれた
「私も君が好きだよ、でも…ぅん! 離れてもいつか会えるよ……だから、その日までこの本、預かっててくれないか?」
そう言って館長サンは一冊の本を渡してきた