siNger


時刻は5時。

まっすぐ家に帰るなんて入部前以来。
なんだか・・・いやだったからわざと遠回りして家に向かった。


「こんなところに公園があったんだ。結構おっきい・・・・。」


15年間過ごしてきた場所。
初めての発見。
広くて,木がいっぱい埋まっている公園。



滑り台。
ブランコ。
平均台。
シーソー。
ジャングルジム。



たくさんの遊具。



でも遊んでいる子供は誰もいなかった。

風で木々の葉っぱの音がする。
声はしない。
葉っぱの音だけ。


私は無意識のうちに止まって目を閉じていた。






音を聞く。











風がやんだ。

次に葉っぱの音ではなくブランコが揺れてる音がした。


キーコーキーコー言っている。






「・・・・・・・ん?」




ブランコの奥のほうに人影。
子供?
座り込んでいる。
子供にしては大きすぎるか。








私・・・・知ってる。







私は何の迷いもなくその人影に近づく。






そう







きっと









この人は
















「あ。」

「やっぱり。」







彼だった。

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