siNger

バッシュ


「大丈夫だったか?」

「うん,本当にありがとう。」


その日の放課後,部活を終え,向かった先はいつもの場所。

彼は必ずそこにいる。


「あのね・・・・悠がね」

「悠?」

「うん,あの喧嘩しちゃった友達。」

「あぁ!」

「仲直りできたよ。」


そう言った時,彼はパット顔をあげた。

「ホントうか!」

「うん。」




「そっかぁ。よかったな!」




そこには,いつもどおり,笑顔のない彼だけど,とても輝いた表情の彼がいた。

本当に喜んでくれてる。

それがとても嬉しかった。
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