siNger
-お前は俺をいやしてくれるよ。―
涙が出そうだ。
ホントにそう思ってくれているなら・・・
こんなに嬉しいことはないんだよ?
「カケルくん?」
「ん?」
「カケル君も・・・私をいやしてくれてるんだよ?」
「・・・・!」
カケルくんは私の頭に手をポンと置いて,先行っちゃうよって言って歩きだした。
私は急いで立ち上がった。
その時・・・かすかに聞こえてきた声があった。
『そんなわけないだろ』って・・・・
私はこのとき,先に行っちゃうことがあるわけないだろって意味だと思っていた。