siNger
1ページ1ページをめくっていく彼の手は,スポーツマンだった。
がっしりとした手。
「聞いてる?」
「へ!?」
「お前・・・さっきから俺の手見てない??」
「気のせいだよ!!」
気付かれた。
すごい観察力だカケルくん。
だんだんだんだん・・・・彼のめくっていくスピードが遅くなっているのに気がついた。
チラっと彼の顔を見ると,懐かしそうな顔をしていた。
このときは,私はカケルくんに雑誌を見せてよかった、なんて思ってしまった。
でも・・・・
衝撃的な出来事は,例のバッシュのページで起きたんだ。