siNger
放課後――――――
準備室に行かずに,向かう先はフェンス。
ワカッタンダ
タリナイモノ
「・・・・・あれ?」
「こんにちゎ。」
カケルくんがいた。
「・・・まだ4時過ぎだよ??部活は?」
カケルくんは腕時計を見て驚いていた。
「喧嘩でもしたの??」
「ううん。今日は・・・・ちょっと。」
「・・・気分じゃなかった?」
「そう・・・かなぁ。」
「ソレわかる!おれも何回かバスケさぼった!」
あぁ・・・ない・・・
「どっかいく?」
「・・・私も聞きたいの。」
「何を?」
「バッシュの音。」
「・・・・そうか。おれ,聞いてると無口になっちゃうけど?」
「私もそうですよ。」
わかった,そう言ったカケルくんはフェンスの下の壁に背を持たれて,
私から姿が見えなくなった。
私はフェンスに背を持たれて目をつむる。
今日はバスケ部だ。