siNger
どのくらい経っただろうか。
辺りが暗くなって来て,肌寒くなった。
「「あ?」」
カケルくんと声が重なった。
2人で顔を見合わせる。
「バッシュの音がしなくなったね。」
「うん。」
と,次の瞬間――――――・・・・
『おつかれさんでしたぁああ!!!』
体育館からたくさんの声。
「なッッ何!?」
「あぁ。部活が終わったんだよ。」
「そうなんですか!?」
「・・・・・たぶん・・・・ね。」
そういえば,水野先輩今日は部員とどっか行くみたいなこと言ってたっけ。
あ
そうだ!!!
「カケルくん!!ちょっと待ってて!!??」
「え!?」
私は体育館に向かって走り出した。
「水野先輩!!」
「ん??・・・瀧野?」
私は水野先輩のもとへ行った。
「何?どうかした??」
「先輩,あの,これから体育館は何部が使うんですか!?」
「このあと?どこも使わないよ。」
やった!!
「あの!!体育館貸してもらえるんですかね!!?」
「はぁ??」
水野先輩が眉間にしわを寄せた。
「なんで?」
「い・・・いやその・・・;;;」
「まぁ・・・いいんじゃねぇ?最後に鍵かけてくれれば。」
「本当ですか!!?」
「教官室の先生たちは部活の時間にはもういないし,いつも生徒が最後に出るからカギだけしっかりかけて,使ったものも片してくれれば大丈夫じゃねぇ?」
「やったぁ!!」
「????」
私は水野先輩から体育館の鍵を預かった。