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私は,吹奏楽部の演奏が中断したと同時に部屋を出て体育館へ向かった。
「宏樹先輩,翔先輩と連絡取ってるんすか?」
「は?なんでだよ。」
「なんとなくっすよ。」
「とるわけねぇだろあんなやつ。」
「あの・・・水野先輩?」
「ん?瀧野。」
私は休憩中の水野先輩に声をかけた。
「なんだ,瀧野も部活だったのか?」
ブカツ――――――・・・
「は・・・はい。」
「悠来てねぇだろ。今度言っとくよ。」
「え!そんな・・・」
「で?何?」
「あ,あの・・また体育館って借りられますかね?」
私は,カケルくんにバスケをさせてあげたかった。
いい迷惑かもしれないけど・・・
「あー・・・そのことなんだけどさ。」
「?」
「さっき顧問に怒られたんだわ。」
「え!?」
「なんかよくわかんねぇけど,使用許可だせだってさ。」
「そうなんですか!?ごめんなさい;;」
「いや!!全然!!おれも知らなかったし;;」
「そうですか?」
「あぁ。」
「じゃぁ・・・ダメ・・・ですよね。」
「また試合でないわけにはいかないんだ。ごめんな。」
水野先輩は悲しそうな顔をして笑った。
「・・・っ。」
「俺んちの近くにゴールある公園あるけど教えようか?バスケしてんだろ?」
「・・・・え・・・・。」
―俺無口になるよ?-
「いえ。大丈夫です。」
私は笑顔で断ってその場を後にした。
バッシュの音を聞かせてあげたい。