siNger

「でもそこまでしなくていいから。」
「!」
「春美怒られちゃうし・・・・それに・・・」
「それに?」




「退学になったら大変だろ。」


「・・・・・。」




また・・・今度はつらそうな目。

カケルくんは・・・学校退学したのかな。





「・・・・大丈夫。」
「いや,大丈夫とかじゃないだろ;」




「その時はその時・・・・でしょ!?」





―捕まったら・・・その時だよ。-






私は彼のまねをした。
初めて会話した時に言われた言葉。

自分を見捨てたようなセリフ。






「負けた。」
「!!」


「お前には負けたよ,春美。」


一瞬・・・・彼が笑った気がしたけど



「お相手よろしく。」



私はそれを見逃した。
< 41 / 224 >

この作品をシェア

pagetop