siNger
「でもそこまでしなくていいから。」
「!」
「春美怒られちゃうし・・・・それに・・・」
「それに?」
「退学になったら大変だろ。」
「・・・・・。」
また・・・今度はつらそうな目。
カケルくんは・・・学校退学したのかな。
「・・・・大丈夫。」
「いや,大丈夫とかじゃないだろ;」
「その時はその時・・・・でしょ!?」
―捕まったら・・・その時だよ。-
私は彼のまねをした。
初めて会話した時に言われた言葉。
自分を見捨てたようなセリフ。
「負けた。」
「!!」
「お前には負けたよ,春美。」
一瞬・・・・彼が笑った気がしたけど
「お相手よろしく。」
私はそれを見逃した。