siNger


「????」


先生はちょっと苦笑いみたいな顔をして机に体を向けた。

何を言おうとしたんだろう。。。。。








カケルくん・・・・どこ行っちゃったんだろう。








それから1時間くらいして,お母さんが迎えにきた。
干してあった制服と,教室に取りに行ったカバンを持って,
保健室を出た。

最後まで先生は,私に何かを言おうとしていた。


でも,わたしはなぜか聞いてはいけない気がして聞けなかった。

それに,それ以上にカケルくんのことが気になっていた。




バンッ

お母さんが車のドアを勢い良く締める。

「熱が出たなんて,やっぱり今日はお休みするべきだったね春美。」
「・・・・・。」
「大丈夫春美??」
「・・・・うん,大丈夫。」















カラカラカラ・・・・


「春美・・・帰った?」
「瀬川君!びっくりした。」
「ごめん。」
「帰ったわよ。あなたも着替えたら!?」
「いや,大丈夫。」
「・・・・・ねぇ,瀬川君。」
「ん?」
「瀧野さん・・・・ってあなたの彼女?」
「ちがうよ。」
「・・・・じゃぁ・・・」
「・・・・・?」

「私まだ望みがあるの?」

「・・・・美和・・・先生。」
「?」
「先生,俺今」
「期待させてよ。」
「!」
「もう・・・ここの生徒じゃないんだし。」
「・・・・・・。」
「ね?翔・・・・・。」






















私は,妙に保健室が気になったまま家路についた。
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