siNger
私とカケルくんは,病院に向かって並んで歩いていた。
カケルくんに初めて見せる私服姿。
いつもより化粧にも気合が入ってしまった。
病人のはずなのに;笑
「平気?」
「へ!!!?」
突然の問いかけに声が裏返ってしまった。
「い・・・いや,体大丈夫かなと思ってさ。」
「あ・・・はい。大丈夫;」
声が裏返ってしまったことがショックで,つまらない答え方をしてしまった。
「歩いてて平気なの?タクシーつかまえようよ。」
「ううん大丈夫!!」
私はカケルくんと長く一緒にいたいから,タクシーを拒んだ。
たったささいな時間でも一緒にいたい。
「そういえば,カケルくんて『セガワカケル』っていんだね!」
「!!!!」
ん?
セガワ・・・・・?
どっかで聞いたことあるような・・・・
なんだっけ?
ふとカケルくんのほうを見た。
カケルくんは手で口元をかくして眉間にしわを寄せていた。