siNger
「春美?」
私はショックと体のだるさに立ち止まっていた。
カケルくんが私に歩み寄る。
「どした?具合悪いんか??」
「・・・・・・・。」
「春美?」
「・・・・・・・。」
「お~い?」
なんか言葉でない。
「な~に泣いてんだよ。」
「!」
私の目からの涙に気がついた。
必死にためてたのに。
我慢してたのに。
「言えって言ってるだろ。」
「~~~~~~っ」
言えるわけないじゃん~~!!
「体だるいんだろ。」
違うもん~~!!
「さっき病院で測った時何度だったんだ??」
鈍感!!!ばか!!!
「雨降ってるんだし、早く帰ろう。疲れただろ?」
いやだ・・・かえりたくない。
離れたくない。
きっと泣いちゃう。
私は動かなかった。
「はあ。」
カケルくんがため息をついた。
それにつられて涙の量が増える。
「!」
涙でぼやけた視界に,掌がうつった。
「ガキだなぁ春美は。」
「行こう。」