siNger
これは・・・・夢?
それとも幻・・・?
熱のせいなのかな・・・・
カケルくんがわたしを抱きしめてる。
話したくないって思ったって言ってる。
「・・・・ごめんな。」
「え?」
「俺・・・・まだお前に話してないことがある。」
「話?」
「これを聞いたらお前は幻滅するかもしれない。おれを嫌いになるかもしれない。一緒にいたくないと思うかもしれない。」
「・・・・・・・そんなこと」
「いや、そんなことあるんだよ。これは・・・本当に俺にわがままなんだけど・・・・まだ話さなくていいか?」
「!」
「お前とは・・・このままでいたい。いつか話をしなければならないってわかってるし、ひょっとしたら俺から話さなくても知ってしまうかもしれない。でもごめん。今はお前には知られたくない。お前の知ってる『カケルくん』でいたいんだ。」