過去の夢と今の約束
また叩かれるのはごめんなので、大人しく送ってもらうことにし、少し離れた距離を保ちながら会話もなく歩き続ける。
「ねぇ結羽ちゃん」
「結羽ちゃんって呼ぶな」
昔から“ちゃん”付けで呼ばれるのが嫌いだった結羽ちゃん。
そこは今でも変わっていないらしい。
まぁ男の子だったら当たり前だろうけど。
「じゃあ結羽くん」
こっちを向きながら「どうかしたのか?」と首を傾げた。
その姿は小さい頃と変わらない。
可愛いと言われた頃とカッコいいと言われる今とでは、だいぶ雰囲気が変わっているけど、変わっていないところもあるんだなぁと感じた。