過去の夢と今の約束
第2章:一人の夜とお迎え
「ナオー」
気持ちよく寝ている土曜日の朝、家中に響くお母さんの声。
「んん…なーにー」
いまだに眠りの中にいる頭を頑張って起こしながら、今何時だろうと、携帯のディスプレイを見る。
げ、まだ六時じゃん。起こすの早すぎ。
そんなことを思っているの「ナオー聞いてるの?」と、また声が響き、「んー!!」と返す。
「お婆ちゃんとこ行ってくるから、今日は向こうに泊まって、明日帰ってくるから」
「んー」
「それじゃあ行って来ます」
声のすぐ後にドアが開き、すぐにバタンと閉まる。
その音と一緒にあたしの意識も眠りの中へと遠退いていった。